皮膚科からのお知らせ
アトピー性皮膚炎治療薬のデュピルマブが0歳6ヵ月からの小児に使用可能となりました
適応年齢の引き下げにより、生後6ヵ月からのお子さんに対するデュピルマブの注射が可能となりました(2023年12月25日)。
結節性痒疹に対して、生物学的製剤のデュピルマブが適応となりました
強いかゆみと発疹を伴う結節性痒疹の治療に、アトピー性皮膚炎の注射薬であるデュピルマブが適応となりました(2023年11月9日)。
「発汗テスト」を開始しました
コリン性蕁麻疹に合併しやすい無汗症の方を対象に「発汗テスト」を開始しました。入院(日帰り/1泊)での検査になります(2023年11月9日)。
既存のデュピルマブに加え、JAK阻害薬、および生物学的製剤のネモリズマブ(ミチーガ)によるアトピー性皮膚炎の治療を開始しました
くわしくはこちらをご覧ください(2023年11月9日)。
オマリズマブ(遺伝子組換え)による特発性慢性蕁麻疹の治療を開始しました
当科では一般名オマリズマブ(遺伝子組換え)による特発性慢性蕁麻疹の治療を開始しました。アレルギー反応に関与するIgEの働きを抑制し、症状を改善します。
原因不明の慢性蕁麻疹で、既存の治療でコントロール不良の患者さんがおられましたら、ぜひご紹介ください(2019年8月23日)。
布袋医師宛てのご紹介につきまして
布袋医師の診療は、予約患者さんのみの診療となりますので、ご紹介の際は予約をいただけますよう 、お願い申し上げます。予約のお電話は患者さん、医療機関様どちらからでも承ります。
布袋医師宛のご紹介状をお持ちでもご予約がない場合は、他の皮膚科医師の診療になる場合がございますので、ご了承いただけますようお願い申し上げます(2019年11月1日)。
診療ポリシー・診療体制
当科の地域医療における役割は、治療のみならず、原因検索、診断確定だと思っております。
精査が必要な方はどんな皮疹でも結構ですので、ご紹介頂ければと思います。
現在は午前の一般外来を2診で診療しています。午後の特殊外来は予約制でパッチテストや生検などの各種検査、小手術、nUVBによる光線療法、SADBEなどの特殊治療を行っており、紹介患者さんを拝見する枠としても活用しています。手術は毎週木曜日午後に手術室で行っています。入院患者さんもベッドが空いている限り、積極的に受けておりますので、入院を要する際はまず当院にご一報頂ければと思います。
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ご予約・緊急受診
地域連携室 直通番号
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03-3399-0257
(平日8:30~17:30 ※土曜は12:00まで)
医師紹介
<医師をクリックすると詳しい内容をご覧になれます>
得意とする疾患
- 当科の注力疾患
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- 難治性湿疹・皮膚炎、痒疹
- アトピー性皮膚炎・アレルギー性皮膚炎
- 皮膚腫瘍(良性、悪性)
- 類天疱瘡、天疱瘡など自己免疫性水疱症
- 膠原病、ベーチェット病
- 帯状疱疹、蜂窩織炎、丹毒
- 乾癬、類乾癬
- 蕁麻疹(じんましん)
- ※基本、美容皮膚科は行っておりません
取り扱っている主な疾患
皮膚科一般
湿疹・皮膚炎、蕁麻疹、痒疹、紅斑症、薬疹・中毒疹、血管炎、膠原病(SLE、皮膚筋炎、強皮症、ベーチェット病など)、熱傷、光線性皮膚症、水疱症、膿疱症、角化症、色素異常、肉芽腫性疾患、母斑、爪・毛の疾患、皮膚腫瘍、軟部腫瘍、感染症など
アトピー性皮膚炎
2018年にアトピー性皮麿炎に対する初の生物学的製剤:デュピルマブが登場して以来、当院においては多数の患者さんにこの治療を導入しております。使用した患者さんにおいては、今までにない画期的な効果に、「楽になった」「QOLか上がった」など喜びの声か聞かれ、発売から6年以上経過した今も大きな副作用もなく、良好な経過か維持できております。
また、炎症部位の外用療法においては、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、外用JAK阻害薬、外用PDE4阻害薬などがあり、これらの外用日数や量を含め、具体的に説明するよう心がけております。全身療法ではデュピルマブやネモリズマブなどの生物学的製剤と数種類の内服JAK阻害薬があります。治療薬の幅が広がったことで、既存の治療で難渋し、苦しんでいた患者さんにとって喜ばしい時代が到来しました。
当院ではアトピー性皮膚炎で悩まれている個々の患者さんに適切な治療を適切な時期に提供できるよう心がけております。
ほくろ・色素性腫瘍
ほくろや色素性腫瘍の場合、肉眼での診断のみならず、ダーモスコピーという拡大鏡を使用して、性質をより詳しく確認することができ、必要に応じ生検を行い診断を行います。皮膚腫瘍、皮膚癌の外科的手術も積極的に行っておりますが、一方で手術適応がない方はイミキモド外用やモーズペーストなどの侵襲の少ない治療も検討できます。顔面の腫瘍は他院では形成外科に依頼する事も多いのですが、当院においては可能な限り皮膚科で対応しております。
▼写真:この患者さんは口唇の上に生じた黒色結節を主訴に来院された患者さんで、臨床とダーモスコピーから基底細胞癌を疑い、生検にて確認後、全摘出術を施行しました。
疣贅(イボ)
疣贅(イボ)には一般的にどの施設においても液体窒素療法が行われておりますが、一部の患者さんでは難治性で、また痛みのために治療に耐えられない方もおり、そのような方に当院では液体窒素の他、グルタラールアルデヒド、モノクロロ酢酸、イミキモドクリーム外用(自費)などの選択があります。
水疱症、血管炎、膠原病
水疱症、血管炎、膠原病などの自己免疫性疾患においては免疫抑制剤、ステロイド、DDSなどの全身投与を、難治性の炎症性角化症、アトピー性皮膚炎、痒疹などには外用療法、免疫抑制剤内服の他、ナローバンドUVBによる光線療法も行います。巻き爪、陥入爪にはテーピングの指導、フェノール法やマチワイヤーの治療も検討します。
難治性湿疹、多形痒疹
難治性湿疹、多形痒疹の患者さんにおいては内臓疾患、薬剤、食物、金属などが原因であることも多く、当院では積極的に精査を行っております。内服中薬剤のDLST、IgE RAST、金属や家庭工業品や化粧品のパッチテスト、皮膚生検も必要に応じ行っています。また、難治の場合は抗体医薬の投与も検討いたします。
金属アレルギーや花粉症がある方はそれぞれの原因のみならず、食物にも反応する事があるため、患者さんへの指導もしっかり行います。
乾癬
外用療法・光線療法・チガソンや免疫抑制剤内服などの治療を、重症度により組み合わせて選択しています。また当院は生物学的製剤承認施設になっています。
円形脱毛症
難治性の円形脱毛症に対して、ステロイド局注療法、局所免疫療法(SADBE)など患者さんの病状に合わせて行っています。
蕁麻疹
難渋する原因不明の蕁麻疹は徹底的に精査し、難治の場合は抗体医薬の投与も検討します。
入院適応となる皮膚疾患
●帯状疱疹、蜂窩織炎、丹毒などの感染症
帯状疱疹は早期入院の上、抗ウイルス剤の点滴加療をおすすめしています。蜂窩織炎、丹毒は局所を冷却しながら抗生剤の点滴を行います。
●アトピー性皮膚炎の急性増悪、教育入院
アトピーが重症化した場合は、短期入院の上、加療を行い、同時にアトピーについての教育も行います。外用剤の適切な使い方など指導を行います。
●中毒疹・重症型薬疹
中毒疹の原因には薬剤の他、ウイルスや細菌などによるものがあります。点滴で補液を行い、抗アレルギー剤、外用剤にて加療を行います。炎症が粘膜にまで及び、重症な場合はステロイドの全身投与も検討します。
●尋常性天疱瘡、水疱性類天疱瘡などの自己免疫性水疱症
全身に水疱、びらんが多発した場合、患者さんの病状に応じ、入院の上、ステロイドや免疫抑制剤の全身投与を行います。
●大型の脂肪腫、粉瘤、頭部・足底・臀部などに生じた皮膚腫瘍
大きさによって局所麻酔もしくは全身麻酔の上、切除を行います。必要に応じ、ドレーンの挿入も行います。足底の手術の場合、松葉杖指導も行います。
●基底細胞癌、扁平上皮癌等、皮膚悪性腫瘍の腫瘍摘出術および皮弁形成術、全層・分層植皮術
部位や大きさによって、手術方法を検討します。なるべく患者さんに負担がかからない方法、整容的により良い方法を検討します。
※褥瘡の入院管理はしておりません。
治療実績
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疾患別手術件数 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 良性皮膚皮下腫瘍摘出術 228 187 231 251 四肢躯幹軟部腫瘍摘出術 2 1 7 12 皮膚皮下粘膜下血管腫摘出術 0 0 1 0 皮膚皮下悪性腫瘍摘出術 32 20 20 20 四肢躯幹軟部悪性腫瘍摘出術 0 0 0 1 血管腫摘出術 0 0 0 0 皮弁形成術 2 1 0 1 陥入爪手術 13 4 11 1 デブリードマン 5 0 0 22 その他(切開術) 53 87 75 75 合計 335 300 345 383 -
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患者数 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度 初診患者数 618 621 669 699 再診患者数 15,868 17,201 15,424 14,560 入院患者数 188 205 182 209 手術件数 335 300 345 383 -
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学会発表・講演
タイトル | 筆頭演者 | 発表学会名 |
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2023年度 | ||
手術侵襲部位に発症し,全身に拡大した水疱性類天疱瘡(BP)の1例 | 鎌田 亜紀 | 第906回日本皮膚科学会東京支部地方会 |
(教育講演)「これからの時代に求められる皮膚科医勤務医像」~利他的キャリアから広がる世界 | 布袋 祐子 | 第122回日本皮膚科学会総会 |
タクロリムス軟膏外用が有効と考えられた環状弾性線維融解性巨細胞肉芽腫の1例 | 鎌田 亜紀 | 第909回日本皮膚科学会東京支部地方会 |
ウステキヌマブ治療中のクローン病に発症した抗ラミニンγ1類天疱瘡の1例 | 八谷 美穂 | 第910回日本皮膚科学会東京支部地方会 |
アトピー性皮膚炎における全身療法の使い分けと適切な導入時期について | 布袋 祐子 | AD治療UPDATE seminar in 城西 |
アトピー性皮膚炎における全身療法の使い分け~キャリア形成の話と共に~ | 布袋 祐子 | 北海道女性医師の会 |
アトピー性皮膚炎における全身療法の特徴と使い分けについて | 布袋 祐子 | さいたま皮膚疾患病診セミナー |
当院における働き方改革の取り組みについて | 布袋 祐子 | 2023年度病院長・幹部職員セミナー |
荻窪病院皮膚科の病診連携について~当院におけるAD・蕁麻疹診療の特色と共に~ | 布袋 祐子 | 練馬区医師会皮膚科医会学術講演会 |
アトピー性皮膚炎における全身療法~各サイトカイン・薬剤を理解した上での使い分け~ | 布袋 祐子 | 第147回杉並区医師会皮膚科医会学術講演会 |
2022年度 | ||
短期間に多発転移をきたし予後不良な経過を辿ったメルケル細胞癌の1例 | 鎌田 亜紀 | 第121回日本皮膚科学会 |
2021年度 | ||
実症例から考えるデュピリマブのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して~ | 布袋 祐子 | 杉並区皮膚科医会勉強会 |
実症例から考えるデュピルマブのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して~ | 布袋 祐子 | 第2回 New era of allergy treatment |
実症例から考えるデュピルマブのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して~ | 布袋 祐子 | Tokyo AD Meeting |
ボリコナゾール長期内服患者に生じた多発性日光角化症と急速進行性有棘細胞癌の1例 | 宜野座 淳善 | 第896回日本皮膚科学会 東京地方会 |
実症例から考えるデュピルマブのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して~ | 布袋 祐子 | 岐阜市アトピー性皮膚炎治療懇話会 |
実症例から考えるデュピクセントのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して~ | 布袋 祐子 | 第70回日本アレルギー学会学術大会 教育セミナー10 |
アトピー性皮膚炎の病態と治療~JAK1/2阻害薬バリシチニブの適正使用と位置づけについて~ | 布袋 祐子 | 第85回日本皮膚科学会東京支部学術大会 共催セミナー |
アトピー性皮膚炎における~全身療法の使い分けと適切な導入時期について | 布袋 祐子 | 杏林×慶応AD講演会 |
「知れば知るほど奥が深い蕁麻疹」~専門医試験と実臨床において知っておくべき内容~ | 布袋 祐子 | 皮膚疾患リモート勉強会 |
実症例から考えるデュピルマブのポジショニング~全身療法の使い分けと適切な導入時期について~ | 布袋 祐子 | 第5回 彩たまでるま |
左側季肋部皮下に生じた solitary fibrous tumorの1例 | 宜野座 淳善 | 第900回日本皮膚科学会 東京地方会 |
実症例から考えるデュピルマブのポジショニング ~全身療法の使い分けと適切な導入時期について~ | 布袋 祐子 | 西尾張ADセミナー |
2020年度 | ||
実症例から考えるDupixentのポジショニング~ADにおける長期寛解維持を目指して | 布袋 祐子 | アトピー性皮膚炎抗体治療セミナーin市原 |
医学皮膚科領域における抗体医薬 | 布袋 祐子 | 第24回日本獣医皮膚科学会学術総会 |
知れば知るほど奥が深い蕁麻疹について | 布袋 祐子 | 第2回Dermatology Lecture Meeting |
陰茎に認めた線状のFordyce状態の1例 | 宜野座 淳善 | 第894回東京地方会 |
日常の診療で使えるアレルギーの知識 | 布袋 祐子 | Dermatology special seminar from SHINKAWA MITAKA |
知れば知るほど奥が深い蕁麻疹について | 布袋 祐子 | 皮膚リモート勉強会 |
乾癬、掌蹠膿疱症の治療について | 布袋 祐子 | 城西皮膚科連携勉強会 |
2019年度 | ||
間質性肺炎を合併した再発性多発軟骨炎の1例 | 青木 孝司 | 第889回日本皮膚科学会東京支部 |
負荷試験で遅発性に陽性となったトニックウォーターによる固定疹の1例 | 青木 孝司 | 第887回日本皮膚科学会東京支部 |
知れば知るほど奥が深い蕁麻疹とその病診連携について | 布袋 祐子 | 横浜市東部 蕁麻疹セミナー |
蕁麻疹~知れば知るほど奥が深い蕁麻疹の話 | 布袋 祐子 | 杉並区皮膚科医会 |
実症例から考えるDupixentのポジショニング~日常の診療で使えるアレルギーの知識~ | 布袋 祐子 | 東信皮膚科医会学術講演会 |
実症例から考えるDupixentのポジショニング | 布袋 祐子 | デュピクセント発売1周年記念講演会in中野杉並 |
Dupixentのポジショニング~日常の診療で使えるアレルギーの知識~ | 布袋 祐子 | 渋谷女医の会 |
論文・著書
論文・著書 | 著者 | 掲載誌名 |
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2021年度 | ||
ノカルジア症 | 布袋 祐子 | 今日の皮膚疾患治療指針 第5版 pp927-928,医学書院,2022,03 |
2020年度 | ||
遅発性に生じたトニックウォーターによる固定疹の1例 | 青木 孝司、他 | 臨床皮膚科,75(1):13-16,2021.01 |
病院勤務医だより皮膚科医の私がCOVID-19発熱外来を担当するに至るまで | 布袋 祐子 | 日臨皮37(3):440-444,2020.04 |
RPAとAI-OCRを活用した業務改善の取り組み | 布袋 祐子 | 月刊新医療,549:84-87,2020.09 |
かおとあたまの湿疹・皮膚炎 | 布袋 祐子 | Derma, 303:1-7,2020.12 |
間質性肺炎を伴った再発性多発性軟骨炎の1例 | 青木 孝司、他 | 臨床皮膚科,75(2):113-118,2021.02 |
鼡径部に発症した脂腺癌の2例 | 小松 広彦、他 | 日臨皮 37(5)668-673,2020.11 |
多彩な皮疹を呈した好中球性皮膚症の1例 | 八谷 美穂、他 | 臨床皮膚科,74(8):571-577,2020.07 |
2019年度 | ||
HIV陽性の帯状疱疹に伴った髄膜炎尿閉症候群の1例 | 布袋 祐子 | 臨床皮膚科, 74(1):13-16,2020.01 |
イミキモド外用で生じた乾癬様皮疹の1例 | 布袋 祐子 | 臨床皮膚科, 73(10):762-766,2019.09 |
線毛上皮を伴った肛門部median raphe cystの1例 | 八谷 美穂 | 臨床皮膚科, 73(8):621-626,2019,7. |
ダーモスコピーにて橙黄色領域に蛇行状血管がみられた皮膚限局性結節性アミロイドーシスの1例 | 八谷 美穂 | 臨床皮膚科, 73(12):978-982,2019,11. |
当院におけるアトピー性皮膚炎に対するデュピルマブの使用経験 | 佐藤 美聡 | 日本皮膚科学会雑誌 129(13)2755-2762,2019.12 |
両側のnevoid hyperkeratosis of the nipple and areola | 布袋 祐子 | 皮膚病診療41(12)1113-1116,2019.12 |
皮膚科のくすりの使い方 | 布袋 祐子 | pp64-69, じほう,2019.08. |