当科の特徴
パーキンソン病などの変性疾患や脳梗塞などの脳血管障害、認知症などの神経疾患に対する診療を行っています。患者さんには、ふるえや、力の入りにくさ、歩きにくさ(歩行障害)、頭痛、めまい、物忘れ、などを訴えられ、地域のクリニックから紹介された方が多くいらっしゃいます。当科はそうした全身にみられる脳神経症状を、適した検査法で精査し、診断名の確定と治療を行っています。
▲ 内科医長 飯泉 琢矢
内科・神経内科 飯泉 琢矢 Iizumi Takuya 脳神経内科全般にわたって対応させて頂きます。丁寧な診療をこころがけておりますので、どうぞよろしくお願いします。医師紹介
2008年
慶應義塾大学医学部 卒業
2008年
東京歯科大学市川総合病院
2010年
慶應義塾大学病院 神経内科 助教
2011年
慶應義塾大学大学院 博士課程 医学研究科 内科学
2015年
慶應義塾大学病院 神経内科 助教
2016年
Weill Cornell Medical College Postdoctoral Fellow
メッセージMessage
- 当科の注力疾患
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- パーキンソン病/パーキンソン症候群
- 脳血障害
- 認知症
- 機能性頭痛
神経内科の疾患解説「パーキンソン病」
症状:手の震え、動きの遅さ、転びやすさが見られたら、一度受診を
パーキンソン病の4大徴候として①振戦(しんせん)②筋肉のこわばり、③動作緩慢、④姿勢保持障害があります。
特に多いのは、安静時の手の震え、振戦です。片側から出るのが特徴で、日常生活での影響もあり、気づかれやすい症状です。筋肉のこわばりから腕の動かしにくさを感じることもあるでしょう。
一方、自覚しにくい症状では、歩行など動作の緩慢化があります。これは自分ではなかなか気づきにくく、家族、特に配偶者の方からの「一緒に歩くと、とてもゆっくりになった」という声が診察室では多く聞かれます。歩行の面では、歩きがちょこちょこ歩きになる小刻み歩行もパーキンソン病ではよく見られます。
姿勢が保てなくなり、後ろに倒れやすくなるのを姿勢保持障害といい、転びやすさを引き起こします。
これら4大徴候が最初からすべて出るのは稀です。安静時に手が震える、手が動かしにくい、動きが遅くなった、転びやすくなった、という症状があれば、パーキンソン病を疑って一度受診していただくのがよいでしょう。年代的には70代前半から多くみられる疾患です。
診断:採血と頭部MRI検査を行います
「手が震える」症状だけでも、多様な病気があります。パーキンソン病なのか、例えばバセドウ病などそのほかの病気なのか鑑別するために、まずは採血を行います。また他に脳疾患がないか頭部のMRI検査もおすすめしています。MRIを撮りますと非常に多くの情報が得られ、パーキンソン病のみならず様々な脳疾患の有無を確認することができ、診断に非常に有用です。
治療:服薬が基本です
検査の結果、パーキンソン病が強く疑われる場合、治療は飲み薬が基本になります。
パーキンソン病はドパミンという神経伝達物質が不足することで起こる疾患ですが、このドパミンを補充する作用がある薬で経過をみます。
2週間ほどの内服で効果判定を行い、効果があった場合は、パーキンソン病であると臨床的に定義し、これを治療的診断といいます。効果がない場合は、大学病院などでさらに精密な検査を行います。