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脊椎センター

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脊椎センターからのお知らせ

2023.01.06 脊椎専門医の小粥博樹医師[整形外科部長]が着任しました(プロフィールのご紹介)

当科の特徴

脊椎センターでは、首から腰までの脊椎に起こる疾患の治療を行っています。
脊椎の専門医2人で週6枠の外来を行っており、脊椎の外傷、脊柱管狭窄やヘルニアなどの変性疾患、脊椎の感染、腫瘍など脊椎疾患全般に加え、緊急を要する病態も含め広く対応しています。各種疾患に対し、手術用顕微鏡下の低侵襲手術を積極的に行って、短期入院・早期社会復帰を心がけています。
多くの患者さんが、手術で症状の改善を図られています。ぜひかかりつけの先生にご相談の上、ご受診ください。

当センターの受診を希望される患者さんへ
当センターは、地域の中核病院として高度な脊椎の治療を必要とする患者さんの診療にあたれるよう、医療機関からの紹介患者さんの診察を行っています。
受診の際はかかりつけの先生にご相談の上、脊椎センター医師(小粥おかい/加藤)で必ずご予約をお願いします。
※なお、外傷など早期診療を要するのに脊椎専門医の予約が数日以内に入らない場合は、一般整形外科をご予約の上、早めに受診してください。

当センターの注力疾患

※脊髄損傷、脊髄空洞症には対応しておりません

当センターで行う治療の特徴

顕微鏡下による低侵襲手術ー身体に負担の少ない手術を行っています

脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)

脊柱管狭窄症は、加齢による脊椎の変形やずれ・靭帯の肥厚・椎間板の突出等により、神経の通り道である管(脊柱管)が狭まって、中の神経が圧迫され、間欠跛行(かんけつはこう)・腰痛や下肢痛・しびれ、といった症状が出る疾患です。MRI画像や特長的な症状により、診断が確定します。
日本の40代以上の推定患者は240万人であり、うち70代以上が7割を占めると言われています。

疾患の特長

  • 三大兆候:腰痛、下肢痛(しびれ)、間欠跛行
  • 中高年に多い。
  • 腰椎の中でも下の方のL4/5,L3/4に狭窄が多くみられる。
  • 女性では変性すべり症による狭窄が多い。
  • 腰を反らすと痛みが悪化し、前かがみになると症状が軽快する。
  • 起立・歩行しなければ無症状のことが多いが神経が変性すると常にしびれるようになる。

脊柱管狭窄症は加齢等による変形が原因なので、放置すれば必ず進行します。
鎮痛剤や神経ブロック、コルセット着用、リハビリテーションなどを行っても症状が緩和しない場合は、手術が検討されます。
特に足裏の違和感、排尿・排便障害・会陰部のしびれ感などは末期症状であり、手術適応となります。

間欠跛行(かんけつはこう)
しばらく歩いていると、脊椎に負荷がかかり、神経が圧迫され、足腰に痛みやしびれを感じ歩行困難になりますが、しゃがんだり、前かがみになって、神経の圧迫が解放されるような姿勢で休憩すると、また歩けるようになります。これを間欠跛行とよび、脊柱管狭窄症を診断づける特徴のひとつです。
閉塞性動脈硬化症という足の血管の異常によっても同じ症状が出ることがありますが、「姿勢を変えると楽になる」「自転車には乗り続けられる」というのが腰部脊柱管狭窄症なのです。

  腰部脊柱
管狭窄症
閉塞性
動脈硬化症
腰痛 あり なし
安静時の
下肢痛
なし あり
歩行時の
下肢痛
(間欠跛行)
あり あり
下肢の冷感 あり あり
下肢の
シビレ感
あり あり
足部の色調 正常 白い
足部の温度 正常 冷たい
自転車の乗車 正常 下肢痛出現
足部の
動脈触知
正常 触れない

脊柱管狭窄症の手術

「脊柱管を圧迫している箇所を取り除く」ことにより、症状を緩和させます。原因が椎間板にありそれを切除した場合や、脊椎の変形にある場合は、ビスで固定する手術も行ないます。

■椎弓切除(MEL)と腰椎後方椎体固定術(PLIF)の比較 ※数値は概算

椎弓切除(MEL) 腰椎後方椎体固定術(PLIF)
手術時間 80分 130分
出血量 20g 100g
臥床期間 1日 2日
入院期間 1週間 2週間
硬性装具装用期間 なし 2ヶ月
軟性装具装用期間 1ヶ月 2ヶ月

顕微鏡下椎弓切除術

椎弓切除術は、手術用顕微鏡下で、圧迫部分を観察しながら削除していきます。手術台にうつぶせになり全身麻酔で行います。傷は小さく、手術時間は1時間程度です。

椎弓切除術(MEL)の手術後

腰を保護する装具をつけ、手術翌日から歩行を開始し、リハビリテーションを開始します。約1週間で退院となり、2週間後の術後外来では、レントゲン(XP)で状態を確認します。1ヵ月後には装具が取れるようになり、2ヵ月後には運動もできるようになります。家事などの日常的な動作は2週間目ごろから可能になります。

  • 術後1日:軟性装具で起立歩行開始
  • 術後6日:退院
  • 術後2週:外来でレントゲンなどチェック
  • 術後1カ月:装具除去
  • 術後2カ月:運動許可

圧迫骨折

これまで安静やコルセット着用など保存的な療法しかなかった圧迫骨折ですが、骨セメントを注入する「BKP Balloon Kyphoplasty (経皮的椎体形成術)」という手術を行うことにより、傷みが著明に改善するようになりました。BKPは、効果の高い手術ですが、破裂骨折には適応ではありませんので、その点は注意が必要です。

BKPの適応と特長

  • 十分な期間の保存療法で痛みが改善しない時、(何週間、という基準は今はない)適応となる
  • 痛みが著名に改善し、術後早期から離床可能
  • 変形の予防が可能である

圧迫骨折の手術(BKP)

圧迫骨折により潰れてしまった椎体にバルーンを挿入・膨らませ、セメントを充填し、椎体の高さと強さを回復させます。

①背中から針を刺して骨折した椎体への細い経路を作り、小さなバルーンのついた器具を挿入する
②椎体の中に入れたバルーンを徐々に膨らませ、つぶれた骨を持ち上げ、できるだけ骨折前の形に戻す
③風船を抜くと椎体内に空間ができるので、その空間を満たすように、骨セメントを充填する
④骨セメントは手術中に固まり、手術は1時間程度で終了

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